趣味の部屋が欲しい。第2回~理想の椅子を求めて(前編)~
前回までのあらすじ:
腐海の森物置きと化した部屋を趣味のための部屋にしようと思い立ったこっと。オシャレな照明を導入したことにより、腐海の森は一気にオシャレな空間へと変貌を遂げた。続いてここを快適な作業空間にするべく、こっとの迷走は続く…
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白と緑の組み合わせは美しい。
今のところ白い壁しかない趣味の部屋(建設予定地)に無意味に浮かぶオシャレなグリーンの照明を見て、こっとは溜め息をついた。正直、これだけでお腹いっぱいだ。このところこっと氏は、趣味の部屋をドアの向こう側から眺めるという間違った楽しみを覚えている。
そんなところに、モスグリーンのふわふわもふもふのラグが届いた。これも趣味の部屋作りの一環である。
照明の下にこのラグを敷くと、部屋の「森」具合が増した。腐海の森は脱したが、今度は森ガールが出てきそうである。
いけない。
このままでは趣味の部屋にならない。
家の中に森を作ってどうする。そのうちまた腐海になって、怒った王蟲が湧くぞ。
そうして目的を思い出したところで、漸く家具購入に至る。
向かった先はIKEA。北欧からやって来た大型家具店である。
実は3ヶ月前にも下見に来ていて、机はその時から目をつけていた。
真っ白か、強化ガラス製の半透明の机か。どちらでも、それなりに好みの部屋はできそうだ。しかも安い。
結局、品切れに泣かされるなどの紆余曲折を経て、白い机にすることにした。机を置くスペースの幅が1 cm足りなかったばかりに、120 cm幅の机を諦めなければならなかったのは未だに悔しいが、仕方ない。
問題は椅子である。
理想のオシャレ部屋に相応しく、それでいて機能性も兼ね備えた椅子とは。
初めはイームズチェアかセブンスチェアを考えた。
ご存知の方も多いだろう、機能性とデザイン性を兼ね備えた有名チェアである。名前を知らずとも、写真を見れば、多くの人は「あぁ、見たことあるわ」となると思われる(なお、こっと氏は今回椅子を探している時に初めてその名を知った模様)。最近は安価なリプロダクト品も多く出回っており、ホンモノに拘らなければかなりお手軽にそれっぽい部屋が出来上がる(ドヤ顔)。
「オシャレで癒しの空間と化したこの部屋に相応しいのは、やっぱりイームズのRARだよねー(再びのドヤ顔)」
RARとは:Rocking Armchair Rodbaseの略。イームズのシェルチェアの中でも、ロッキングタイプの椅子。オシャレかつ癒し系。こんなの↓
しかし、このオシャレかつ癒し系の椅子には2つの欠点があった。まず、高さを調節できない(作業するには机と椅子の高さの相性は重要だと思うの)。そして、キャスターが付いていないので、椅子を動かすのが大変そう(横着なこっと氏は、なるべく椅子から立ちたくない)。
そこで泣く泣くイームズチェアを諦め、大人しくオフィスチェアを探すことにした。RARはRARで、いつか欲しい。
しかし、オフィスチェアはどうしてああもダサいデザインが多いのだろうか。確かに座り心地は重要なポイントではあるけれども。
社長椅子は確かに座り心地が良い。だが、家に置くには大きすぎる。そして繊細さが足りない。
色々探したが、結局いいものは見つからず、IKEAの白いオフィスチェアが一番シンプルで無難という結論に至った。…筈だった。
IKEAのモデルルーム(IKEAは店の中に沢山のモデルルームがある)を見て回り、やはり目をつけていた白い椅子がマシ、と思った矢先、こっと氏の心を鷲掴みにする椅子が現れた。
それがこちら↓
何これオフィスチェアなのにラタン調とか素敵すぎる。しかも高さ調節機能とキャスター付。
但し、この椅子にも欠点はあった。
現在、色展開は黒のみ(Google先生によれば、以前は白も販売されていた)。
黒は…ちょっと、ねぇ。そういうモダンなテイストの部屋なら勿論有りだと思うのだが…。でも、デザインは断然これが気に入った。候補に挙がっていた白い椅子も、この椅子の前では霞んでしまう。
どうするこっと。デザインか、部屋との調和か。どっちを取る。
考えて考えて考えた末、出した答えはひたすらに阿呆だった。
白く塗ってしまえ!(・∀・)
どちらも選べないなら、どちらも選んでしまえばいいじゃない☆(o'∀'人)
ワガママここに極まれり。
そしてこっと氏は、予定外の黒い椅子を購入したのであった…。その無駄なこだわりが悲劇を招くとも知らずに…。
(つづく)