ことろぐ。

渇いた日々の生活に一滴の潤いを。趣味に生きたい理系人間の気ままな記録…になる予定。

ちょっとだけ穴場の京都散歩:駒井家住宅

5月のとある晴れた金曜日、こっと氏は京都に居た。自由人たるもの、世間の休日や平日に捉われてはいけない。

…大変な嘘を吐いたことをお詫びする。休日出勤した分の振替休日を貰っただけだ。こっと氏も現実には飼い慣らされた只の社畜である。
とはいえ、世間は平日であることに変わりない。しかも天気は見事な五月晴れ。こんな日に京都に居るなんて。ひゃっほーい!
さて、何をしよう?何処へ行こう??
しかし神社仏閣をめぐる普通の京都観光もつまらない。そんなものをブログに書いてもつまらない(いずれ書くかも知れないが)。ということで、ことろぐ。では「ちょっとだけ穴場の」京都散歩について書きたいと思う。

 というわけで…駒井家住宅

今回の目的地は「駒井家住宅」。京都市指定有形文化財に指定されている建物だ。と言っても、町屋ではない。
設計者はW.M.ヴォーリズ同志社大学けいおん!で有名になった豊郷小学校と同じ人の手により昭和2年に建てられた、アメリカン・スパニッシュ様式の洋館である。
最近では、水樹奈々のアルバム「GREAT ACTIVITY」のジャケット写真のロケ地としても使われたらしい。
以下、公式サイトからの転載(訪問される際は最新の情報をご確認ください)。
 
【一般公開日】
 毎週金・土曜日  10:00~16:00(入館は15:00まで) 
*夏季休館:7月第3週から9月第1週まで
*冬期休館:12月第3週から2月末まで
 
場所は京都大学農学部グラウンドのすぐ北東、白川疎水沿い。
運良くその日は公開日に当たっていたので、早速行ってみることにした。

駒井卓博士について

折角なので、少しこの邸宅の持ち主について勉強しておこう。Wikipediaで。
駒井 卓(こまい たく、1886年5月9日 -1972年7月9日)は、動物学者日本学士院会員。兵庫県姫路市に生まれる。旧姓・福田。東京高等師範学校卒、東京帝国大学選科修了。コロンビア大学留学ののち、1925年京都帝国大学、東京帝大兼任教授、1947年東大定年退官、1948年学士院会員、1949年国立遺伝学研究所部長。
動物遺伝学、動物系統学、進化論を研究。
「日本のダーウィン」とも称され、身近なところでは、三毛猫の殆どが雌である仕組みを説明した偉いセンセイである。昭和天皇の海洋生物学の先生もされたとか。
三毛猫が雌ばかりの理由は高校生物の教科書を見てみよう!
(…なお、大学院で生物科学を専攻した筈の私はお名前を存じ上げませんでした。駒井先生、申し訳ございません…)

それでは建物の中へ

事前勉強も終えたところで建物の中へ。
門をくぐるとまず、新緑の鮮やかな庭が目に入った。

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レトロ乙女趣味な洋館という噂を聞いていたので、期待に胸が躍る。そして玄関へたどり着く。

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これは期待以上の洋館だ!!!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
語彙が乏しくて本当に申し訳ない。
しかしどれだけ筆舌を尽くしても無意味だと思うので、写真を中心に紹介させて頂くことにする。写真も逆光気味ではあるが…。
 
まず案内されたのは、大広間と応接間。大きな窓とそこから差し込む陽射しが印象的な、清々しい空間だ。
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 この窓の形がスパニッシュ様式の特徴らしい。
 テーブルの上の花瓶まで、駒井夫妻が使用されていたものをそのまま使っているのだそう。
 
全体は洋館だが、ちゃんと和室もある。

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洋風の窓と障子が巧く組み合わされている。
 
こちらはサンルーム。こんな部屋でこんな椅子で、私も読書したい!

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 この椅子に座ると、窓から大文字山も見えるのだ!(写真中央)
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駒井博士のデスク。

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博士の愛したガラクタお土産コレクション。

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見事な藤棚。残念ながら今年の花の季節は終わってしまったようだ…。

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一つだけ残念なのは、戦後一時期進駐軍に接収されており、その間に窓枠や扉の一部がペンキで塗られてしまったことだ(応接間の窓枠などがそう)。しかしそれはそれでオシャレな仕上がりになってしまうのは、メリケンの成せる技か。。。
 
 ともあれ、建物も庭もとても素敵な空間であった(´∀`*)
 金曜日だったせいもあるかも知れないが、人も少なくゆっくり見ることができたので、ここをちょっとだけ穴場な観光スポットとしてオススメしておく。