ことろぐ。

渇いた日々の生活に一滴の潤いを。趣味に生きたい理系人間の気ままな記録…になる予定。

理想の箱を求めて。

祇園祭だ何だと騒いでいたのが嘘のように、リビングには炬燵が鎮座し、 休日ともなれば炬燵とベッドの往復で生活が完結してしまう今日この頃。如何お過ごしだろうか。

最近のこっと氏はすっかりブログの更新を怠けていた訳であるが、炬燵でぬくぬくしながらスマホをぽちぽちしたり、通販サイトをぽちぽちしたり、たまに編み物をしたりしながら楽しく暮らしているらしい。
 
そんなふうにして、通販サイトで到底編み切れない量の毛糸を買い込んだせいで、こっと氏は妖怪「マフラー押しつけババア」になったり(手編みのマフラーほど重いものはない)、炬燵周りを毛糸玉でいっぱいにしたりして、今大変なことになっている。
初めのうちは、家に転がっていた小さなバスケットに毛糸玉を詰めて乙女チックな気分に浸ったりもしていたらしいが、最早そんな量ではない。かと言って、段ボールに詰めるのも勿体無い。
 
そんな訳で、大容量のオシャレな収納ケースを探していたのだが。
 
高い。
 
雑誌で見かけるような中目黒や恵比寿にあるオシャレ雑貨屋では、ビンテージな収納ボックスで、大体5k円〜。
1000円程度でオシャレ家具が買える某ナチュラル系プチプラ雑貨屋は、作りも値段並み(時にそれ以下)。しかも家の近くにないので、配送料がかかるか、電車でせっせと持ち帰らなければならない。
最低限のコストで楽して理想の家に暮らしたい貧乏社畜には悩ましいところである。
 
そんなときに小耳に挟んだのが、100円ショップDIY
なんでも、100円ショップに売っているもの(すのこ、コルクボード、小物入れ、焼き網(!)などなど)で、オシャレな家具が作れてしまうらしい。

祇園祭―宵山を3倍愉しむ。

今年も気づけば半分が終わり、7月である。今年の前半も何事も成すことができなかったなぁ等と振り返る間もなく、こっと氏の心は既に京都へ飛んでいる。

何故ならば。

7月は京都三大祭の1つ、祇園祭の季節だからである。

ということで、今回のテーマは「宵山を3倍楽しむ方法」。これでいきます。

宵山へ訪れる機会のある方には何かの足しになれば幸い、祇園祭何それ美味しいの?という方にも、その魅力が少しでも伝われば嬉しいなと思いながら綴ってみることにします(`・ω・´)ちなみに宵山は美味しいです。

 What's 宵山?

そもそも祇園祭って?宵山って?ということで、まずは堅い文章で簡単な説明を。

祇園祭は京都の八坂神社の祭礼である。9世紀から続く長い長い歴史があり、なんと7月1日から1か月間に渡って行われる。

その中でも最大の行事は7月17日に行われる「山鉾巡行」だが、その前3日間に行われる前夜祭的な位置づけである「宵山(7月15日を宵々山、14日を宵々々山と呼ぶこともある)」も大きな見どころとなっている。

山鉾巡行では、豪華絢爛な美術工芸品で装飾された10の鉾(うち1つは唐櫃巡行)と23の山(その他2つは休み山)が公道を巡る。

宵山では、これらの山鉾や、各山鉾町に伝わる美術品などの宝物の披露が行われる。

7月に入ると、四条通で、烏丸の駅で、コンチキチンの祭囃子が聴こえ、徐々に祇園祭ムードが高まってくる。そして宵山には京都市の中心部である四条通烏丸通が歩行者天国になり、街中がお祭りになる。(とはいえ、宵山山鉾巡行も曜日は関係なく執り行われるので、あの辺で働いている人は大変だなーとも思うが。)

「平日は夜12時までがコアタイム」がモットーであった我が学生時代の研究室においても「宵山へ行くので」と言うとあっさり早退許可が下りた辺り、その祭の特別な立ち位置をご理解頂けるかと思う。…まぁ、京都の地元の人はわざわざ宵山になど行かないという話も時折聞くが。

いざ、宵山

さて、祇園祭の大雑把な説明も終えたところで、実際に宵山へ繰り出そうヾ(⌒(_*'ω'*)_
 
折角なので、浴衣を着ていくことをこっと氏は強くお勧めする。お祭り気分が更に盛り上がること請け合いだ。なんならそのまま鴨川等間隔へもつれ込んでも良い。背後から川へ蹴り落とす。
 
ここで宵山の楽しみ方についてだが、こっと流祇園祭の楽しみ方として、3つの提案をしたいと思う。
 
  1. 純粋に「お祭り気分」を味わう
  2. 山鉾や山鉾町を堪能する
  3. 宵山グルメを堪能する
個人的なおすすめは2と3だが、2に関しては、全部回るには正直1日じゃ足りない。2日は欲しい。
まぁ、とりあえずいってみよう。
 
宵山で「お祭り気分」を味わう 

宵山には、四条烏丸交差点を中心に、烏丸通の両側に出店が沢山並ぶ。

初めて宵山に行ったとき、こっと氏はその光景に圧倒された。片側2車線の広い烏丸通の両側に出店。その間には多数の人、人、人。四条烏丸の交差点で南を見れば、遠くに輝く京都タワー。個人的には、このお祭り模様の彼方にさん然と輝く京都タワーが好きだ。

そして、関東と関西の出店のメニューの違い(私が関東出身なので)。はしまき、たこせん、きゅうりの一本漬…。関東で定番のソースせんべいは見当たらない。

初めて宵山へ行くと告げた時、研究室の先輩から1つの命令を下された。「前田のベビーカステラを食え」と。

宵山に前田のベビーカステラは定番らしく、いくつか出ている出店はどこも行列である。しかし先輩の命令なので並ぶ。新町通りあたりの、少し四条通から北に上がったところが比較的空いていた。買う。食べる。

……うまい……!

これは何だ……前田のベビーカステラ自体は京都のお祭りに行けば買えるし(吉田神社の節分祭とか伏見稲荷の本宮祭とか)、ぶっちゃけてしまえば祇園祭以外ではそんな行列になっているところを見たことが無いのだが、宵山で食べたほど「う…美味い…!」と思ったこともない。いや、それでも普通に美味しいのだが。これが宵山の成せる技なのか。

とりあえず「祇園祭で前田のベビーカステラを食え」。

これを食べれば、所謂お祭り気分としての宵山はおっけーな気さえする。

山鉾や山鉾町を堪能する

とはいえ、祇園祭宵山で、思い出がベビーカステラだけではもったいない。もう少しオトナの遊び方もしてみたいところだヾ(⌒(_*'ω'*)_

ということで祇園祭らしいこと、山鉾や山鉾町の宝物もしっかりと楽しみたい。

 

その前に準備として、1つ。ご朱印帖を持っていると、もう一段ディープな楽しみ方が出来る。

ご朱印帖は各山鉾で購入できる。一昨年は宵山に買おうとしたところ既に完売していたので、欲しい方は早めに購入されたし。でも去年からは書店でも買えるようになった…ような……?

ご朱印はスタンプラリーとは違うのだが、何となく「制覇してやるぜ!」という気持ちになるので、全ての山鉾を見たいというマニアックな方には特におすすめである。

ちなみに私は去年御朱印を集めたが、コンプリートには2日かかった(´>ω<`)

 

さてさて、山鉾の楽しみ方だが、個人的にはこれもまた3つに分けることができると思っている。

  1. 山鉾町の宝物を観賞する
  2. 山鉾を楽しむ
  3. 山鉾グッズを買う

「山鉾グッズって何やねん!」…まぁまぁ落ち着いて。順番にいこうではないか。

 

まずは、山鉾町の宝物から。宵山には、各山鉾保存会で保管されている美術品、装飾品がそれぞれの場所で展示される。先祖伝来の屏風やタペストリーなどが飾られることから、屏風祭とも呼ばれる。巡行の際に山鉾を飾る装飾品も間近で見ることが出来、「えっ、これ実際に使うの!?1日だけとはいえ、直射日光や風雨に晒していいの!?」と思うこともしばしば…。実はとても贅沢なことしてるんだよ、祇園祭って。

山鉾によっては展示品の解説を用意しているところもあって、さっきまでベビーカステラ(`・∀・´)と言っていたのが嘘のように、お祭りの文化的な側面を楽しむことができる。

 

山鉾に祀られている神様にお詣りできるのもまた宵山の楽しみの一つだ。最初に触れたご朱印もその一環で、中には、おみくじを引くことができる山鉾もある。

おみくじの一番人気は蟷螂山。唯一のからくり山である蟷螂山では、蟷螂(カマキリ)のからくり御籤を引くことができる。蟷螂山では、山の上に載っているカマキリを見ることも出来たりする。…まぁ、実際にからくりが動く巡行には敵わないが…。

ということで、山鉾を実際に間近で見て楽しめるのも宵山の楽しみ。

マニアックなところでは、釘を使わずに組み立てる山鉾の組み立て方法を間近で見るのも楽しい。

実際に鉾に上がることも出来る。女人禁制の鉾も中にはあるが(巡行の最初を飾る長刀鉾など)、大体は女性でも上がれる。鉾によって、チケット制だったり、浴衣の人は無料だったり、グッズを購入した人が上れたり、料金はまちまちである。一般人が鉾に上がっている間も、縁には囃子方が腰かけてコンチキチンのお囃子を演奏しているので、近くで聴けるのもまた一興。しかし縁に座るとか怖くないのかな、と、こっと氏はいつも思う。

絢爛豪華な山鉾の一方で、中には大火などで巡行できなくなり、休み山・休み鉾となっているものもある。

しかし近年、これらを復活させようという動きも出てきた。枠や土台のみを展示しているものもあり、これの完成した姿に思いを馳せるのも良いだろう。

大船鉾の復活プロジェクトでは、京都駅前のヨドバシカメラの一角に作成中の大船鉾が展示されている。祇園祭期間でなくとも見学出来るので、是非機会があればご覧頂きたい。

 

そしてこっと氏おすすめ山鉾グッズ。各山鉾が、意匠を凝らしたグッズを色々出している。これはきっと各山鉾保存会の資金源になるのであろう、毎年違うデザインを作ったりしてるからすごい。

過去に色々買い漁ってしまったものがこちら。

まずは祇園祭の定番、粽。食べ物ではない、魔除けである。こちらはこっと氏の家を一年守ってくれた鯉山の粽。

一年を通じて、京都の民家では玄関に粽が飾ってあるのが見られる。

 

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滝を登る鯉の絵馬が愛らしい。

続いて、手ぬぐい。各山鉾、手ぬぐいに関しては本当にデザインが豊富だ。去年は全山鉾を巡って比較検討した末にこちらの孟宗山のをゲット。 

 

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八坂神社の紋と孟宗山の紋、そして、た、たけのこ…!(胸キュン♡ポイント)普段はきのこの山派の私でも、これにはときめかざるをえない。

そしてもう一つ、ときめきグッズ。

 

 

 

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月鉾のお守り(2012 ver.)。月鉾のグッズは月と兎がモチーフになっていて、全部欲しくなる。うちわも可愛かったな…今年もあるかな…。

他にも、Tシャツ、浴衣等、素敵グッズが数多く並ぶ。ちなみに売り子の子供たちも可愛い。

宵山グルメを堪能する

いやぁ、そこまでディープじゃなくていいよ(°_°)というクールでオトナな貴方には、ぜひ宵山ならではのグルメを堪能して頂きたい。

はっきり言おう、これこそが宵山の醍醐味である。

先ほどベビーカステラなどのお祭りグルメに少し触れたが、祇園祭はそんなその辺のお祭りとは格が違う。

居酒屋から普段は敷居の高いようなお店まで、店の前にずらりと屋台を出すのが祇園祭宵山である。

たとえば去年のこっと氏は、ワインショップでスパークリングワインを手にいれて明るいうちから上機嫌になり、スペインバルではサングリアを堪能し(何故かここ3年毎年宵山でサングリアを飲んでいる)、ベトナムフレンチの屋台では333ビールで喉の渇きを癒し、街角で黒ビールを飲み干し、伊右衛門サロンで抹茶山崎ハイボールを興味本位で味わい、それはそれは大いに宵山を堪能した。

勿論その合間には、イタリアンレストランの賀茂茄子バーガー、とんかつ屋さんの串カツ、リプトンの紅茶アイス、ベトナムフレンチの生春巻き、焼肉屋さんの牛すじ煮込み、中華料理店の飲茶、八ッ橋屋さんの八ッ橋アイスなどなどでお腹も満たした。

こんなにも屋台でリッチな気分になれるお祭りがそうあるだろうか?いや、きっとない。

お陰で、祇園祭で撮った写真に写るこっと氏は大抵何かエタノール入りの物を飲んでいるか食べている。折角浴衣を着ているのに、悲しいことである。

とはいえ、この楽しみ方をやめる気はさらさらない。今年は毎年売り切れている甘味処の柚子シャーベットや、某ホテルの前に出る屋台(きっとシェフが腕を奮ってる)にも挑みたい所存である。

 

さて、以上が祇園祭を3倍楽しむ方法である。

書いていてワクワクしてきた。

さて、鉾建ても始まった京都へいざ∠( °ω°)/

「聖なる怠け者の冒険」の冒険。

先日、森見登美彦氏の2年半ぶりの新刊である「聖なる怠け者の冒険」が発売された。

森見登美彦といえば、最近では一部で「大二病患者は村上春樹森見登美彦が好き」などと引き合いにも出される作家だが、「ぷwww大二病かよwwwww」と言われるのを承知で言おう、私は森見登美彦氏の本で人生を変えられてしまった人間の1人である(その簡単な昔話は以前のエントリーにて)。

 

それはさておき、2年半ぶりの新刊も舞台は京都である。

ネタバレにならない程度に中身を紹介しておく。

主人公は腐れ大学生ではないが、京都の片隅(向島)にある某化学工業企業にて研究員として勤めるごく平凡な理系社畜2年目の小和田くん(25、6歳)である。小和田くんは小冒険を愛する怠け者である。平日は独身寮の一室で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を念入りに改訂して夜更かしし、休日を守り怠けるためなら何でもすると言いきる。「いまだかつて、これほどまで動かない主人公がいただろうか」とは帯に書かれた文句だが、これほどまでに動かない主人公でスケールの大きい物語を繰り広げる辺り、2年半経っても森見ワールドが変わらないことに安心感を覚える。

物語は、京都三大祭の1つである祇園祭宵山が行われる土曜日(7/16)の朝から深夜までの1日に起こった出来事で構成されている。その出来事は、小和田くんにとっては悲しいかな、小さな大冒険である。小和田くんは怠けているだけだが。

ちなみに森見氏は以前にも「宵山万華鏡」で宵山を舞台にした物語を書いているが、一部作品がリンクする箇所もある。他にも森見ファンとして嬉しい仕掛けとしては、「太陽の塔」「四畳半神話大系」「四畳半王国見聞録」で散々登場した下鴨幽水荘は今作でも健在であり、樋口師匠と思しき人物の記述もある。四条烏丸の交差点で三日三晩寝転がっていると天狗になれるそうな。

ま、詳しくは読んでみて下さい。

 

さて、この愛する森見氏の新作を読み、私の中にむくむくと湧き上がる欲望があった。

この作品の舞台を地図に記したい…

ということで、作ってみました。「聖なる怠け者の冒険」の冒険の書

しかし作ってみたら完全にネタバレになってしまったので、未読の方はまずは地図など見ないで読むことをオススメします。

それでは、地図は「続きを読む」からどうぞ。(追記:モバイル版ではこの機能がないらしい…?)

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